日本相撲協会が発表した歴史的な待遇改定により、大相撲の各段優勝賞金や力士の給与体系が大きく変わることが大きな注目を集めています。長年「幕内優勝=1,000万円」として定着していた金額が、時代背景や物価動向を反映して大幅に引き上げられることになりました。
本記事では、幕内から幕下以下までの各段における優勝賞金の具体的な金額に加え、2027年1月場所からの改定内容、さらに混同しやすい「懸賞金」や「三賞」との違いについて、分かりやすく解説します。
大相撲の優勝賞金はいくら?幕内から幕下以下までの金額一覧

大相撲の本場所では、番付の各段(幕内、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口)ごとに、その場所で最も優れた成績を収めた力士に優勝賞金が贈られます。階級によって金額は大きく異なり、地位が高くなるほど高額になります。
日本相撲協会が発表した内容によると、長年据え置かれていた各賞金が、力士の待遇改善を目的として見直されることになりました。まずは、改定前と2027年1月場所からの新金額を一覧表で確認していきましょう。
| 階級 | 改定前の金額 | 2027年1月場所からの新金額 | 主な変更・増額幅 |
|---|---|---|---|
| 幕内 | 1,000万円 | 2,000万円 | 1,000万円増(倍増) |
| 十両 | 200万円 | 300万円 | 100万円増 |
| 幕下 | 50万円 | 70万円 | 20万円増 |
| 三段目 | 30万円 | 50万円 | 20万円増 |
| 序二段 | 20万円 | 30万円 | 10万円増 |
| 序ノ口 | 10万円 | 20万円 | 10万円増 |
33年ぶりの歴史的改定!2027年1月場所からの変更背景
今回実施される優勝賞金の引き上げは、幕内優勝賞金が500万円から1,000万円に変更されて以来、実に33年ぶりとなる歴史的な大改定です。日本相撲協会が両国国技館で行った理事会で正式決定されました。
背景にあるのは、最近の経済情勢や物価高騰、そして土俵を支える力士たちの生活基盤および待遇の改善です。プロアスリートとしての価値に見合った報酬体系へアップデートすることで、次世代を担う力士の育成やモチベーション向上につなげる狙いがあります。この改定は2027年1月明けて初場所から直ちに適用され、日本の国技における大きな転換点として注目を集めています。
幕内・十両・幕下以下で異なる「収入構造」の仕組み
大相撲の力士は、所属する階級によって収入の仕組みが大きく異なります。ニュースなどで耳にする「優勝賞金」のほかにも、月給や手当、副賞などが複雑に絡み合っています。
十両以上の「関取」と呼ばれる上位力士には、日本相撲協会から毎月「月給」が支給されます。今回の改定では、この関取の月額給与も約10%引き上げられ、横綱は300万円から330万円、大関は250万円から275万円、平幕は140万円から155万円などに増額されました。これに加え、幕内力士の取組には企業などから「懸賞金」が1本につき約6万2千円(手取りなどの計算あり)掛けられ、勝てば大きなプラス収入となります。
一方で、幕下以下の力士は「育成契約」のような立場であり、月給は支給されません。場所ごとに支給される「場所手当」が主な収入源となるため、幕下以下の力士にとって、各段優勝の賞金や各場所の成績は生活や活動資金を支える上で非常に大きな意味を持っています。そのため、今回の幕下以下における優勝賞金の引き上げ(幕下50万→70万円など)も、下部組織の環境改善において極めて重要な意味を持っています。
優勝賞金とは何が違う?「三賞」と「懸賞金」の基本知識
大相撲の金銭的なトピックで混同されやすいのが、「優勝賞金」「三賞(さんしょう)」「懸賞金(けんしょうきん)」の3つです。それぞれ支給される条件や性質が全く異なります。
三賞は、幕内力士を対象に、千秋楽までに優れた相撲内容や活躍を見せた力士に贈られる「殊勲賞」「敢闘賞」「技能賞」のことです。こちらも優勝賞金と同様に長年1賞につき200万円でしたが、2027年1月場所からは300万円へと増額されます。優勝とは別に、複数受賞や平幕力士の大きな収入源となります。
一方、懸賞金は、企業や個人スポンサーが特定の取組に対してかけるものであり、勝った力士が土俵上で直接受け取るシステムです。幕内上位の取組には多くの懸賞がかけられますが、幕下以下の取組には原則として懸賞がつかないため、優勝賞金や場所手当がダイレクトな成果報酬となります。このように、賞金・三賞・懸賞金はそれぞれ独立した仕組みで運用されています。
歴代の変遷と日本相撲協会の近年の取り組み
大相撲の賞金制度は、時代の流れとともに少しずつ形を変えてきました。かつて幕内優勝賞金は500万円でしたが、1994年に1,000万円へと引き上げられて以降、約30年以上にわたってその金額が維持されてきました。
近年のスポーツビジネスやエンターテインメント業界全体の報酬水準の上昇、さらに物価高や運営コストの変動に対応するため、日本相撲協会は経営基盤の見直しを進めています。今回の賞金倍増および給与改定は、力士が安心して競技に打ち込める環境を整えるとともに、国技としての魅力を高めるための本格的な構造改革の一環と言えます。
【大相撲優勝賞金】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年9月場所や11月場所の優勝賞金はすでに2,000万円になっていますか?
A1:いいえ。新しい改定金額(幕内2,000万円など)が適用されるのは2027年1月場所からです。2026年内の本場所は、これまで通りの金額(幕内1,000万円など)となります。
Q2:優勝賞金にトロフィーや副賞などはつきますか?
A2:はい。現金としての優勝賞金のほか、天皇賜杯をはじめとする大きな優勝旗やカップ、賞状、さらに各地の自治体や企業から贈られる豪華な副賞(特産品や自動車、海外からの副賞など)が授与されます。
Q3:幕下以下の力士が優勝した場合、懸賞金も一緒にもらえますか?
A3:いいえ。幕下以下の取組には企業スポンサーによる懸賞金はかけられない仕組みになっているため、受け取れるのは各段の優勝賞金と所属に応じた手当となります。
大相撲の優勝賞金および給与・手当の改定は、33年ぶりという歴史的な節目であり、力士のモチベーションや次世代の育成環境に大きな好影響を与えることが期待されています。2027年1月場所から幕内優勝2,000万円の新時代が幕を開けることで、土俵上の取組が一層激しさを増し、ファンにとっても見逃せない瞬間が増えていくでしょう。
伝統を守りつつも、現代の経済環境やアスリートの待遇に合わせた柔軟なアップデートを続ける日本相撲協会の今後の動向から、ますます目が離せません。
Sources:
1. 大相撲の優勝賞金が倍増2000万円、力士給与・手当もアップ —
2. 相撲の優勝賞金はいくら?幕内・十両・幕下以下で違う金額の目安 —
3. 幕内優勝賞金を2000万円に倍増、関取給与もアップへ…力士の —